ショックを販売して、30年以上の実績が有る当社より、ご案内と、注意点をお知らせします。
過去お客様より頂いたご質問より、何点かを Q&A 形式でご紹介いたします。
ぜひご参考にして下さい。


新品のショックを手でストロークさせて、左右で微妙に硬さが違うのは何故ですか?

それは、初期のピストンシール等、内部のフリクションロス(抵抗)によるものです。
ショックの減衰力は、内部に有る複雑な構造のバルブをオイルが通過する事により、適度な減衰力を
発生させています。人が触って、感触の違う範囲(伸びる速度が左右で違う等)は、
瞬時に作動するべき減衰力とは別物で、新品時のフリクションロスによるものですから、
100km程度の慣らしが終わると、徐々に左右均等化されていくものです。

ツインチューブ(複筒式)ショックの場合、保管時は横向きに在庫されていますから、
正立状態にして、フルストロークを繰り返さないと減衰力は出てこない物です。
左右で伸び方が違うとか、硬さが異なると言う場合もこれに該当します。
車両に取付して、しばらく走行しないと減衰力は出てこない物です。

ガスが抜けているのではと、疑う場合、まず、オイル等がべったり出ていないか
確認して下さい。ガスだけが抜ける事は、まず有りえません。

明らかに、スカスカ、ゴトゴトな場合は、ガス漏れ等の異常の場合が有ります。
この場合は、もちろん、メーカークレームの対象となりますから、遠慮なくお知らせ下さい。


ショックに保証書が入っていませんが?どうしてでしょう?

メーカーの入れ忘れでは無く、付いてないのが正常です。
ショック単体に保証書が付いている物は、まず有りません。(サスキット等を除く)
第一の理由は、タイヤと同じく消耗品であるからです。
私の知る限りでは、オーリンズ、コニー、モンロー、ランチョ、プロコンプ、KYB、TRDまで
保証書は見当たりません。 一般の修理部品やタイヤに保証書が付いて無いのと同じ理由です。
メーカーとして、はっきりと保証期間を設けているものは、モンロー、ランチョ、プロコンプくらいでしょうか。
有名なメーカーで有っても、保証期間は有りません。(もちろん初期の不良は各社対応してくれます。)

昔は、タイヤが片べりすると言うクレームを言う方が多くいましたが、アライメントという事が世に知れてからは
めったに聞かなくなりました。タイヤ本体の不良で、片べりする事はまず無いからです。
多くは、ローダウン車等の理由で、アライメント調整不良で減る事が一般的に知れわたってきたからです。
タイヤが早く減るからとクレームを付けても無駄です。元気に走り回る人と、アライメント不良の場合は
当然のように、早く減るわけです。これをショックに置き換えると同じような事になり、メーカーとしても
どのような使われ方をするか予測も出来ないために、消耗する物に保証は付けてないのです。

ニスモ、SHOWA、RS-R 等のサスペンションキットに保証書が付いている理由は、
使用されるスプリング(ストロークの合った物)と使われ方が決まっているために、
メーカーとしても安心して、保証書を付けていると思います。


ショックに取付説明書が入っていませんが?どうしてでしょう?

多くのメーカーが個別の説明書を入れていません。
これも、消耗品の感覚なのか、本来修理に使う用途の商品として、作業するサービスマンが
熟知している事を前提としているようです。実際には高性能にする為に交換する物でも
足回りと言う、分解の有る箇所を触るのは、それなりの知識を持った方が作業する物と
メーカー側も思っていると言うことでしょうね。
交換方法が分からない方や、心配な方は、自分で触らない方が無難です。


梱包状態が良いとは言えず、ショックにスリキズが付いています。

多くのメーカーがショックを何かに包む、衝撃吸収材を入れる等の配慮が有りません。
箱に裸で入っているのが標準的な状態です。擦れて塗装が削れている事もたまに有ります。
輸入物の多くは、1箱に裸のショックが2本入っています。中には薄いダンボールの仕切りのみ。
当然の事ながら、ゴトゴトと当たって輸入されますから、スリキズが見られます。
ダウンサスは、1箱に裸で4本入っているのが普通ですよね。これと同じです。
どうしてなのか?理由は明白です。先にも書きましたが、車外に付く消耗品ですから。
後々のサビ等が気になる場合は、タッチペン等で、色塗りして下さい。

私たち日本人は、その綺麗な見た目から、ドレスアップに近い感覚を持っています。
しかし本来ショックとは、タイヤと同じく、消耗品な上、見えない下回りに付く外装品として、
常時、雨風、砂等にさらされるパーツで、タイヤと同じく機能に問題が無ければ
少々の事は良しとされています。タイヤが裸でラベルだけ貼られて送られてくると同じ考えですね。

最近KONI等は、梱包が良くなったと思います。
キット物はほとんどが梱包が良いです。価格それなりなんでしょうか。
梱包が今ひとつなのは、モンロー、KYB、TRDでしょうか。
ショックが1本1本ビニール袋に入っているのは、ランチョ、プロコンプとか。
まあモンローの場合は、価格奉仕の分、仕方が無いかもしれませんね。
4本買っても、純正の1本価格より安い場合も有りますからね。

問題な事は、メッキのロッド部に、ツメのかかるようなキズが有ると、シールを痛め
オイル漏れに至る事が考えられますから、これはクレーム対象となります。
新品のショックで、すんなりクレームの通るのは、この状態と完全なガス抜け、
オイル漏れくらいになります。


届いて箱を空けたら、うっすらオイルが滲んでいる。箱にシミが有る。大丈夫?

以前より、海外製品で割りと良くある事ですが、潤滑油が出ている場合が有ります。
作動油とは別で、サビ止めと潤滑の為に使用されるオイルで、商品には問題有りません。
以前、ビルシュは、ピンク色のグリースみたいな物が染み出ている事が良く有りました。

ショックを見ると分かりますが、ロッドが、本体の中に入っていく訳ですから、その分の
オイルは、元々計算して抜かれています。しかし、これが僅かに多い場合も有りまして
初期に、にじみ出る場合もございます。僅かに出ている場合は、拭き取って様子を見ましょう。

潤滑油と作動油漏れの確認方法は、
余分な油を拭き取った後に、正立状態にして、2.3回ストロークさせて見て下さい。
オイルが多くにじみ出てきたら、初期のシール不良となり、クレーム対象として交換になります。
漏れるなら、ショックを逆さまにして放置すると、ポタポタと漏れるはずです。
目に見えて、出てこないならば、潤滑オイルの滲みだったとして、心配無しです。


ローダウンに使用しますが、問題ありますか? 

専用のショートストロークが良いに決まっていますが、ビルシュのショートと
KYBのローファーくらいが存在するだけで、多くの適合をカバーするわけでも有りません。
そこで、ノーマルストロークの商品を使用される方は多いのが現状です。

スプリングは、簡単に出来る為か、数多くのメーカーが有り、メーカーとしては遊ばなければ
それで良しとする事が多い為に、ショックとのマッチングまで考えて無いと思います。
実際、遊ばず、最低地上高を確保できるば、車検は通りますし、簡単に寿命も来ないでしよう。
(近年、アジア製の激安スプリングが折れると言う信じられない問題も聞きましたが。)

その点、ショックは困ります。ひどい底突きを数回すれば、内部のバルブを破損して
簡単に壊れます。この場合、スプリングとバンプラバーの状態に問題が有るのに、
抜けたと言う結果だけを見て、ショックが悪いとクレームを言われてしまいます。

バネメーカーは、ストロークを確保する為に、バンプラバーをカットするよう指示をしている
メーカーも有ります。スズキスポーツさんのように、同一のメーカーで、ショックもそろえる場合は、
もちろんそれで良いでしょう。しかし、一部にはショックのストロークを無視した場合も有る事を
覚えておいて下さい。

ローダウン車専用ショック以外は、基本的に保証期間で有っても、底突きによる破損は、
クレーム対象にはなりません。使い方が間違っているとされてしまいます。
当社も多数販売するモンローとダウンサスの組み合わせはクレームの対象とはなりません。


装着後に、ゴトゴト異音が出ますが、異常でしょうか? 

まず一番最初に点検すべきは、スタビリンク周辺です。
締め忘れがあるか。リンクにガタが発生した部品の消耗です。
フロントの下から音が出たなら、まずココのはずです。


その次に、ロアーアーム、タイロッド等のジョイント部を点検します。
ショックから音が出るくらいなら、通常はオイルが多量に漏れています。
その症状が無いなら、ショックではない可能性が高いです。

ショックを外して、単体の状態にして、ゴトゴト異音が出れば不良品です。

新品の場合、ネジの締め忘れ等が多いです。
フロントの場合は、アッパーの締め不足が多いと思います。異音が出た場合は、
ジャッキから下ろした後、加重をかけた状態で、センターのナットをまし締めして下さい。

キュキュ音の異音は、ブッシュ部の異音で、グリスアップでなおる場合が多く有ります。
これは、硬いウレタンブッシュを使用しているランチョ等によく出る問題です。

関係するご注意点として、ツインチューブのショックの場合、横置きして保管して有った商品は
最初は減衰力が出ない場合が有ります。そのまま付けても特に問題は有りません。
しばらく走ると減衰力で出てきます。早く減衰力を出す場合は、装着前に、正立状態にして、
2.3回フルストロークすると素早く減衰力が立ち上がります。
これをせずに左右の硬さが
全く違うと言われる場合も有りました。


装着前に触ってみたら、リアーは伸びてくるけど、フロントが縮んだまま伸びない。不良では? 

例えば、TCR系のエスティマ等で、フロントが伸びてこないのは正常です。
全てのショックが自然に伸びると思っている方が多いようですが、いわるガスショックしか
縮めても伸びてきません。オイル式ショックは伸びない物です。ランチョのRS5000や、モンローの
オリジナル、KONIのオリジナル等がそのような、オイル式が多いです。(ガス式の物も有ります。)
ガスが入ってないなら硬くならないとお思いの方も多いようですが、内部に有るバルブを
オイルが通過する時の抵抗で、ショックは減衰力を出していますから、オイル式は柔らかいと言う
事では有りません。単純にバルブのオイルが通過する穴が小さければ硬くなります。


モンローのショックで、前後でショックの色が違いますが、おかしく有りませんか? 

おかしく有りません。実際には良く有ることです。
日本人の私達は違和感を感じる場合も有ると思いますが、メーカーの設定ですから
仕方の無い部分と思います。前後でショックの種類が異なる設定の車両も良く有りますし、
ヨーロッパ車のかなり多くは、フロントがシルバーで、リアーがブラックの組み合わせも多いです。
中には、左右で色の異なる場合も有りますが、これは当社としても不自然と思いますので
左右の色違いについては、出荷を避けてもらうようメーカーにお願いしています。
先にも書きましたが、機能的に問題無ければOKと言う考えなんでしょうかね。

ショックを交換したのに、見た目が変わっていない、おかしく有りませんか? 

カートリッジ交換の場合ですね。車両によっては、外のケースはそのままで、中身だけ交換
する場合もございます。やや古いクルマに多いです。例えば、AE86、MR2、スカイライン、
セドリックとか多数有ります。構造上ブレーキ辺りまで一体式になっていて、部品点数が多く
高価になってしまう為に、純正補修品ショックも含め、中身交換がスタンダードな交換手段になります。
ショックは、機能優先の部品ですから、それで問題無い訳です。色が変わらないので
カッコ良くない。と言う気持ちはよく分かりますが、仕方が有りません。



メーカークレームについて。メーカークレームとして、通ったケース

到着した時点または、装着直後に、オイルが多く漏れ出ていた場合。 
原因は初期のシール不良です。メーカーで新品交換してくれます。

乗ってしばらくして、左右で減衰力が明らかに異なる場合。
シール不良で、ガス漏れが発生して、減衰力が大きく異なってしまった結果でしょう。
メーカーで新品交換してくれます。

メーカー保証の範囲は、商品の交換対応までです。
それに関する脱着費の請求は認められません。

ショックのメーカークレームとして、通らなかったケース

取付時に、作業員の不注意で異物を挟み込んでしまって、シール不良と同様の症状になった場合。

取付時に、インパクトレンチで無理に締め緩めして、内部のバルブを固定するナットが回ってしまい。
中で分解され、バルブが正常に機能せず、減衰力が無くなり、異音が発生する場合。

ダウンサスと組込みされ、ストローク不足から、底突きして内部のバルブを破損した場合。
ダウンサスで無くても、サスがくたびれているか、バンプラバーがバラバラになって無くなっている
場合がよく有ります。そうなると当然の結果、底突きします。
設計上の寸法から、元々底突きしやすい車両も有ります。(TCR系のエスティマフロント等)

ショップさんによる取付でも失敗する例は、よく耳にします。
ワッシャーを1枚入れ忘れるだけでも、ショックの頭が、シートを突き破るケースも有りますし。
アッパー、スプリングシート等を、左右で入れ違える等の組込みミスは良く有ります。

当社は、組み込み時に、インパクトレンチを使用していけない事を分かっていて
使い方を工夫して、特殊なインパクトレンチと、特殊工具(SST等)を使って作業しています。
多くのショップさんが、この事を理解しているとは思えません。
明らかにインパクトレンチを使った為の故障はあとを絶ちません。

クレームとして、メーカーが受け付ける流れ 

モンロー、KYB等でも 同様ですが、基本的にメーカーに送って、検査の後にクレーム対象になるか
対象にならないかが決まります。メーカーでの検査期間は約1ヶ月間くらいを要します。
モンロー、KYBとも純正納入メーカーだけあって、検査部門はしっかりしていて、分解写真付きで、
報告書が当社に届き、原因がはっきりします。この時点で、商品の欠陥だったのか
ユーザー様と取り付け作業者側の落ち度か分かり、クレームの可否が分かります。


参考、こんな資料が当社に届きます。その1
   こんな資料が当社に届きます。その2
   こんな資料が当社に届きます。その3

 その期間、クルマが動かせない、交換する物が無い等の理由の場合、先に代品を送って
装着する事は可能ですが、この場合の問題点は、検査結果、クレームとして通らない場合は、先に
お送りした商品をお買い上げして頂く事になります。この点をご理解頂ける場合のみ、代品を先にお送りする
事が可能です。
尚、クレームが通った場合でも、それに関わる脱着費の請求は通りません。

絶対におかしいから何とかしてくれ!と言われても、結果、取付不良と言う事が一番多かったりします。

KYBより、こんなページが作られていました。こちら

ショックが折れた。と言われる場合の原因は、


ショックからオイルが漏れる原因は、そのほとんどが、不運な事故によるものです。

砂、小石がメッキロッド部に噛みこみ、線キズを付けてしまって、そのキズがシール部にキズを付けてしまう。
内部のガス圧に耐えているシール部に、キズが付いた結果、そこからオイルが漏れ出てしまう訳です。
しばらくは普通に使用できて、その後にオイルが漏れたから検査して欲しいと言われる場合、ほぼ全てがこの原因です。

ですから、ロッド部は、ダストブーツなどで保護する事はもちろん。
砂利道の走行、砂の有る所を走る時巻き込まないように気をつけましょう。



随時追加記入していきます。